開発コストを抑えて日本が独自開発した、大型輸送機(C2)

2019年9月13日

大型輸送機(C2)は、川崎重工業においてC1の後継機となる新型国産輸送機として開発されました。2016年6月末、川崎重工業はC2の量産初号機を岐阜工場南工場で防衛相に引き渡しています。そんな大型輸送機(C2)はどのような特徴を持っているのでしょうか。ここでは、日本が開発した大型輸送機(C2)について取り上げていきましょう。

C1の後継機として期待されている

1973年、C1の初号機の引き渡しが行われました。そのため、大型輸送機(C2)の納入は、新型国産輸送機の納入としては43年ぶりのことになります。国産のC1や輸入したC130Hなどは、戦術輸送機として長く使用されている機体です。しかし、C1が耐用飛行時間を迎えることで、後継が検討されたのが大型輸送機(C2)開発のきっかけとなりました。そんな大型輸送機(C2)のスペックです。

  • 全長43.9m
  • 全幅44.4m
  • 全高14.2m
  • 最大積載量約30t
  • 最大離陸重量は141t

となっています。戦後、国内で開発する期待としては過去最大で、仕事量の低減や離島防衛の強化に貢献できるとして注目されました。

大型輸送機(C2)が開発されたのは2000年のことで、防衛省技術研究本部と川崎重工業によって進められました。国際平和協力活動の対応など自衛隊の各種任務を効率的に行うというのを目的に開発が進められています。

元々は2014年度末に美保基地に配備する予定とされていましたが、機体の強度不足等で再設計し、2016年末に納入、正式な開発完了は2017年3月27日です。その際には、大型輸送機(C2)として正式に採用され、部隊使用も承認されました。岐阜工場では納入式が開催され、川崎重工業は、「C2は国内で最大の航空機であり、最新技術が盛り込まれているため、各種試験・部隊運用でも能力向上に向けた支援ができる」としています。

納入先である美保基地では「Blue Whale(シロナガスクジラ)」という愛称が付けられました。大型輸送機(C2)は2018年9月まで運用試験を実施し、今後は空輸任務に使用される予定です。

今後の期待

C1を大きく上回る性能を盛り込んだ大型輸送機(C2)は、エンジンはアメリカのGE製CF6-80C2を2基搭載しているほか、スラストリバーサーで自力後進も対応しています。ヘッドアップディスプレイをコックピットに装備し、操縦システムにはフライバイワイヤを採用しています。そのため国産比率としては7割ですが、主操縦部分をはじめ、多くの重要箇所が国産となっているのが大きな特徴です。

また、大型輸送機(C2)は前部胴体と水平尾翼には川崎重工業が開発した「KMS6115」が採用されています。これは航空機用炭素繊維強化複合材料のことで、従来よりも軽くて強い低コストを実現したものです。大搭載量・長距離航続・高速巡航という高い性能がコンセプトになっており、陸上自衛隊の海外派遣や在外邦人の退避、大規模災害時の輸送などが期待されています。特に、東日本大震災時や大規模災害時には、本州だけでなく沖縄の陸上自衛隊車両も数多く運ばれています。しかし、当時の国産輸送機での輸送は困難であり、豪軍から派遣されたC17が使われたのです。

大型輸送機(C2)は、それに匹敵する災害支援に貢献できるとされているのです。また、大型輸送機(C2)は自衛隊の地対空誘導弾PAC3や水陸両用車も積めるようになっているため、活動の幅が大きく広がっていると言えるでしょう。

まとめ

防衛省と川崎重工業が開発した大型輸送機(C2)についてご紹介してきました。大型輸送機(C2)はC1を大きく上回る性能を備え、これまでよりも仕事量の低減や離島防衛の強化に貢献できると考えられるでしょう。川崎重工業は、今後も技術を継承していき、さらなる輸送機の開発に取り組むとしています。今後も、国産輸送機の開発が進む可能性も高いのではないでしょうか。

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