開発コストを抑えて日本が独自開発した、ジェット哨戒機(P1)

日本が独自開発したジェット哨戒機(P1)をご存知の方はどのくらいいるでしょうか。ジェット哨戒機は海上自衛隊がすでに実用化している国産機です。

ジェット哨戒機にはどのような目的・特徴があるのでしょうか。ここでは、そんなジェット哨戒機について解説していきましょう。

国内で独自開発している

ジェット哨戒機は、防衛省技術研究本部と川崎重工業が開発した国産機で、国産ジェット旅客機よりも大型の機体となっています。製造も川崎重工業が務めており、現在は海上自衛隊が保有・運用する固定翼哨戒機です。全長38.0・全幅35.4・全高12.1mで、機体やエンジン、任務システムに至るまで新規開発した純国産機として配備されました。

実際に部隊配備されたのは2013年3月からで、国内の広大な海域の長時間哨戒任務を遂行する目的で運用されています。最初の2機は2013年3月29日に厚木基地に配備されました。
速度・航続距離・搭載量は最新技術を用いて高い性能を実現しており、海上自衛隊のP-3Cの後継機となりました。

ジェット哨戒機は4基のエンジンを搭載した4発機です。アメリカの新型哨戒機のエンジンは2基であるため、中には4基の必要性を問う方もいると言います。エンジンを4基にしたのには理由があり、洋上進出と滞空パトロールにあたり、十分な余裕を持って運用するべきだと考えたからだとされています。パトロール海域から帰投する際に、万が一エンジン1基が故障した場合、推力の左右非対称を最低限に留められるというメリットがあるのです。より長距離の進出や長時間滞空を可能にするためには、エンジン2基の双発機よりも4発機の方が適しているのです。

また、ジェット哨戒機は2017年6月のパリ航空ショーにおいて、初めて海外での展示をしています。2018年4月にも、ベルリン国際航空宇宙ショーで海外発となる飛行デモンストレーションを実施するなど、性能・防衛装備・技術協力の進展を図っているのも特徴です。

C-2輸送機と同時開発されている

ジェット哨戒機は、航空自衛隊の輸送機であるC-2輸送機と同時開発されました。2017年3月より部隊配備が開始され、最新技術を適用しています。C-2輸送機は、国際平和協力活動対応や各種事態・災害などへの展開・対処能力確保のためにC-1輸送機の後継機として国産開発されています。

C-1以上に装備を充実させ、航続距離を約4倍に、搭載重量を約3倍にするなど性能も高いです。ジェット哨戒機(P1)もC-2輸送機も川崎重工業が主契約企業となり、純国産体制開発され、今後の活躍が期待されています。C-2輸送機においても、2017年11月のドバイ・エアショーや2018年7月の英国空軍国際航空ショーなどで展示を実施しています。

開発コストを抑えて開発されている

元々、防衛省は川崎重工業においてライセンス生産したアメリカの対潜哨戒機ロッキードP-3Cオライオンを利用していました。しかし、更新時期が迫ったのをきっかけに国内技術育成を検討し、国産開発や次期哨戒機P-X・C-X次期輸送機の同時開発を図ったのです。両機種を同時開発し、一部の部品を共用化することでコスト削減を図るのに成功し、両機合わせて3400億円の開発費となっています。

川崎重工業は、P-2対潜哨戒機を生産していた実績がありました。国産開発方針を採って以降、川崎重工業は国産4発ジェット哨戒機を構想したと言われています。実際に国産の試験機の製造が開始されたのは2003年で、飛行試験機は2004年に製造開始となっています。

まとめ

ここでは、日本が独自開発したジェット哨戒機(P1)について解説してきました。ジェット哨戒機(P1)は、海上自衛隊で実用化された機体です。航空自衛隊の輸送機C-2と同時開発され、国内外から今後が期待されています。今後は、ますます性能・防衛装備・技術協力の進展を目指していくと言えるでしょう。